こんにちは、税理士のおぎーです。
今回は遺言書で「できる事」と「できない事」について
暑いので娘(2歳3ヶ月)と川辺にて
遺言書とは
以前にもお伝えしましたが遺言書には3つの種類があります。
①自筆証書遺言書
②公正証書遺言書
③秘密証書遺言書
ですね。
①自筆証書遺言書
自筆証書遺言書とは、遺言書が遺言の全文、日付、氏名を自筆で書き、これを押印して完成させる遺言書です。
②公正証書遺言書
公正証書遺言書とは、公正証書役場にて公証人が遺言者から遺言内容を聴取して、作成する遺言書です。
③秘密証書遺言書
最後に、秘密証書遺言書とは遺言者が遺言書(自筆またはワープロ等でもよい)に署名押印して、封書したものを、公証役場にて公証人と証人が署名押印した遺言書です。
そして、遺言書には書いた事全てが効力があるわけでなく、遺言書において
「できる事」
「できない事」
があります。
遺言書において「できる事」
遺言書において「できる事」として以下が上げられます。
・相続分の指定
・遺産分割方法の指定
・財産の遺贈、寄付
・特別受益者の持ち戻しの免除
・最長5年の遺産分割の禁止
・共同相続人間の担保責任の指定
・遺言執行者の指定
・財産の処分
・財団法人設立の為の寄付行為
・相続人の廃除、廃除の取り消し
・認知
・未成年後見人の指定、後見監督人の指定
・祭祀承継人の指定
身近なところでは、相続人の廃除の指示や、子供などの認知、先祖の供養等を執り行う人を指定することができます。
一方、こちらの方が大事になってくるのですが、遺言書では「できない事」
・結婚、離婚
・養子縁組、離縁
・遺体解剖や臓器移植
・ペットを受取人にする事
・跡継ぎ遺贈
・公序良俗に反すること
・遺留分を放棄させること
・借金の分割
結婚や離婚、養子縁組や離縁など身分に関する行為は遺言書では効力を生じないとされています。
跡継ぎ遺贈は
「土地などの不動産は遺言者の死後は奥さんへ、奥さんの死後は長男へ」
など2世代に渡って遺言することはできないとされています。
ちなみに、民事信託では跡継ぎ遺贈のような形は取れます。
あとは、ペットへの遺贈。
サザエさんなどでは波平が遺言書で
「財産の全てはネコのタマヘ」
ということで話題に上がる時がありますが、ペットへの遺言書は無効とされています。
ちなみにペットの世話をしてほしい相手にペットと併せて預貯金を遺贈する旨の遺言書を書き、預貯金を渡すことを条件にペットの世話をお願いする「負担付き遺贈」は有効とされています。
せっかく遺言書を書いたのに、無効という事もあるので、遺言書では「できない事」に注意する必要があるかと思います。
まとめ
遺言書では書いた事が全て効力があるわけでなく
「できる事」
「できない事」
があります。
遺言書を書く際は、事前に確認する必要があるあります。
【編集後記】
仕事外で、士業の方が集まって相続案件の打ち合わせ。
四国ではまだ行っていない事なので上手く立ち上がればと思います^_^