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相続について

銀行等借入債務と相続について

投稿日:2017年6月21日 更新日:

こんにちは、税理士のおぎーです。

 

今回は、銀行からお金を借りている人が亡くなった場合等の金銭債務の相続について

 

 

金銭債務の相続

相続は預貯金や不動産などプラスの財産を引き継ぎますが、銀行借入債務などのマイナスの財産も引き継ぎます。

 

 

民法上

相続人は、相続開始の時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する

とあり、債務も相続により包括承継されることを、明らかにしています。

 

原則相続人が1人の場合は当該相続人が債務を引き継ぐこととなります。

 

また相続人が複数人いる共同相続の場合は、金銭債務のような可分債権は法律上分割することが認められ、相続開始時に各共同相続人は、その相続分に応じて権利を承継するというのが定められています。

 

 

その結果、銀行側においては債務者である各相続人に対して、それぞれが承継した債務の範囲内でしか請求出来なくなることが原則的にあります。

 

例えば、1500万円の銀行借入債務があり

子供のみの相続人がA.B.Cと3人いた場合

それぞれが500万ずつ独立して債務を負担する事となります。

 

ただ、仮にAさんがお金が無く500万もの借入を返済できないとした場合、銀行としては借入返済未回収のリスクを負う事となります。

 

そこで銀行側においても相続人間で

単純承認

限定承認

相続放棄

を確認した上で、資力のある特定の相続人に債務を引き受けさせるか、相続人間で連帯債務を負わせる等の債権の回収方法を検討する必要があります。

 

金銭債務は相続人間のみで分割割合を決めることができない?

金銭債務は法律上当然に分割されるので、亡くなった人の金銭債務も「相続財産」であることから

 

共同相続人が同意すれば、遺産協議分割や遺言書の指定で分けることができます。

 

ただし、その分割方法が法定相続分と異なる分割をした場合、相続人の個別事情により、弁済ができないと人も出てくる。

 

そのため法定相続分と異なる割合で金銭債務の相続分の指定をする場合は、銀行等の債権者側の同意無しには分割することができず

 

仮に法定相続分と異なる割合での金銭債務の分割を銀行側が異をとなえた場合は、法定相続分の範囲内でしか分割ができないとこととなります。

 

 

まとめ

金銭債務は預貯金等のプラスの財産とは異なり、債権者側の立場があっての可処分債務となります。

 

そのため相続人間での都合だけで債務の負担割合を決めることはできず、銀行側の同意を求める必要があります。

 

プラスの財産とは少し意味合いが異なってくることは覚えておく必要があります。

 

【編集後記】

昨日は専門学校時代一緒に勉強した同志と飲み会。

税理士としての方向性など色々とお話しをすることができました^_^

 

 

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