こんにちは、税理士のおぎーです。
今回は、成年後見と税務の関係について(税務上出来る事と出来ない事)
自宅でのクリスマス・イブにて
成年後見事務について
以前にもご紹介しましたが、税理士も成年後見制度において成年後見事務を行うことができます。
主な職務としては
・財産管理
・身上監護
の2点があり、税理士においては税理士会における必要時間の研修を受けた後に成年後見事務を行うことができます。
ただ、税理士としての職能上、税務は切り離せない問題であり、成年後見事務を行うにあたり、税務において出来る事と出来ない事があります。
成年後見人として出来る事
まずは、出来る事から。
成年後見人は、包括的代理権を有するため、成年被後見人(以下、依頼者)に代わって税務申告を行うことができます。
所得税
1.納税地
納税地ついては、依頼者の住所地など本人が使っている場所が納税地となります。
2.申告書の記載
申告書の記載には成年後見人は代理人として、住所・使命を併せて記載し押印する必要があります。
納税者の署名押印欄には、「〇〇(依頼者指名)、成年後見人○○」と記載する必要があります。
3.所得税の節税
依頼者が青色申告や青色申告特別控除を受ける場合には、成年後見人はこれを選択することについて何ら問題はありません。
特別償却や圧縮記帳などの税法上の特別措置の選択も成年後見人が判断できます。
依頼者所有の不動産があり、老朽化などで新たな設備投資が必要な時は、多額の金銭が動くので家庭裁判所の申請が必要です。
本人の生活の安定などの理由がしっかりした資金計画であれば処分の許可も最近では出てきてます。
成年後見事務で出来ない事
成年後見事務は本人の身上監護が主なため税務上できないこともあります
相続税
相続税対策としての、暦年贈与、相続対策としての生命保険契約などがありますが、本人のためではない支出であるためこれらの行為は認められていません。
贈与については、対価を伴わない、依頼者の財産の減少行為であるため、成年後見人自身や他人に対するものも原則として許されません。
いずれも贈与を受けた人の利益を図る行為であって、依頼者のためのものでないため家庭裁判所でも許可は下りなものとされています。
まとめ
成年後見と税務。
成年後見事務自体は税目によって成年後見人の出来る事と出来ない事があります。
本人に利益のある個人の所得税は成年後見人でも認めらる行為が多々ありますが
贈与税・相続税等になると制限がかかります。
この辺りは、通常(健常者)の税務とは様式が違いますので成年後見事務をするにあたり、きちんと把握しておく必要があります。
【編集後記】
先週はクリスマス・イブ。娘(2歳7か月)もサンタさんという存在に気付いていたようです。
プレゼントをもらってとても嬉しそうでした。