こんにちは、税理士のおぎーです。
今回は相続における投資信託等の解約請求について
愛媛県松山市の道後公園にて
投資信託とは
投資信託とは、
投資信託委託会社が、
投資家から集めた資金を
信託銀行に信託し
信託銀行に指図して
投資資金により株式や債券を取得して運用する仕組みです。
銀行や証券会社等では、投資信託会社との契約に基づき投資信託受益権投資家に販売し、
投資信託の分配金、解約時の償還金の支払いも担います。
投資家が投資信託の依頼人となるので亡くなった場合には相続財産となります。
投資信託受益権は不可分債権
投資家が亡くなった場合には、相続人から銀行や証券会社に対して解約請求を行ってきます。
仮に共同相続人の1人から相続分の範囲内での投資信託の解約請求があった場合には、銀行側はどうするのか?
ぱっと見では、投資信託が分かられるものとして、可分債権と思われがちなのですが
平成26年最高裁で争われた事例でも
投資信託受益権は
金銭支払い請求権以外にも、信託財産に関する帳簿書類の閲覧や謄写しさの請求権等の委託者に対する監督的機能を有する分けて給付する目的とする権利でないものも含まれているため、不可分債権と判断されています。
したがって銀行側においては、共同相続人の1人から相続分の範囲内での投資信託の解約請求があった場合については、これを拒否する必要があります。
株式や個人向け国債は可分債権?
株式ついては相続人の1人から
「相続財産の〇〇株式について相続分の範囲内で名義変更したい」
旨があれば、手続き上問題がなさそうです。
ですが、株式についても
最高裁において
株主は、株主の地位に基づいて
剰余金の配当を受ける権利
残余財産の分配を受ける権利
株主総会における議決権
など
共益権と呼ばれるものを有するため
株式は不可分債権と認めています。
つまり銀行側において共同相続人の1人からの相続分の範囲内での名義書換え請求についても、拒否する義務があります。
同様に個人向け国債についても権利の単位が定められているため不可分債権と認められています。
銀行側の対応も株式と同様ということになります。
まとめ
投資信託や株式、個人向け国債。
全て不可分債権と判断されています。
仮に遺産分割協議においては
〇〇株式のうち100株は太郎へ
と定められていても、本人が窓口に行くだけでは手続きをすることができず相続人全員の許可が必要になるので注意が必要です。
【編集後記】
8月も今日で終わり、仕事の方も7月決算(9月提出)に移行しています。
9月、10月とやるべきイベント(仕事外)が増えてくるので早めの対応を心がけていきたいと思います^_^