こんにちは、税理士のおぎーです。
今回は、相続のおける遺言書を残しておいた方がいいケース(代表的な5つのケース)について
公園でハトと戯れる娘(2歳8カ月)
相続における遺言書の作成について
当サイトでも度々紹介しているのですが、相続において揉めない相続を行うためには、生前に遺言書を書くのが有効とされています。
遺言書の種類は3つ。
自筆証書遺言
公正証書遺言
秘密証書遺言
自筆証書遺言
自筆証書遺言とは、自分で書く遺言のことを言います。「字が下手」「字が汚い」という理由で他人が代筆をしたものや、パソコンで作成したものは「無効」となりますので注意が必要です。
特徴はお金を掛けずに、気軽にいつでも作成が可能で、新たに作り直すことができる点ですが、一方で紛失や改ざん・隠される恐れがあり、要件を満たしていない場合にも「無効」となる可能性もあります。遺言の執行時に家庭裁判所の検認手続きが必要となります。
公正証書遺言
公正証書遺言とは、公証役場で公証人に依頼して作成するものです。
特徴は、公証役場で保管されるので紛失や改ざんの心配がなく、検認手続きも必要ないので遺言執行がスピーディに行うことができます。
秘密証書遺言
秘密証書遺言とは、あまり実用的ではないのですが遺言の内容を秘密にしたまま遺言書の存在のみを交渉人に証明してもらうものです。自筆証書遺言とは異なり、自分で署名押印さえすればパソコンでの作成や代筆も可能です。作成した遺言書と2人以上の証人を連れて公証役場に行き作成が認められます。短所は、公正証書遺言より費用がかかり、遺言執行時にも検認手続きが必要となる点です。
遺言書が必要となる代表的な5つケース
では、どういった場合に遺言書を作成する必要があるのか、ケースごとで見ていきましょう。
1、子供も両親もいない夫婦の場合
夫婦の一方がなくなった場合、残された配偶者と亡くなった方の兄弟姉妹がいれば相続人となります。その場合の法定相続割合は
配偶者 3/4
兄弟姉妹 1/4
となります。夫婦で築いてきた財産を兄弟にも配分しなければなりません。遺言書を書いておけば全財産を配偶者に相続させることもできます。
2、農業や個人事業の経営者
事業用資産(農地や工場)は後継者に相続させる必要があります。
場合によっては事業が継続できなくなることもあるので遺言書を書いておくことによって、後継者には事業用資産を中心に相続させ、その他の相続人には現金などを相続させるなどの工夫をすることができます。事業に貢献した後継者には、寄与分を考慮した相続割合にするなどの配慮もできます。
3、行方不明の推定相続人がいる場合
所在が不明で連絡が取れない相続人がいると、遺産分割協議ができないため、遺産としての預貯金が一切引き出せない場合もあります。遺言書を書いておけば通常遺産分割協議が必要なく、遺言の内容を実現するために選任された人(遺言執行者)によって預貯金の引き出しもスムーズにできます。
4、障害者の子供がいる場合
病気や障害のある子どもがいる場合は、将来が心配です。遺言書がなければ健康な子供もそうでない子供も同じ相続分となります。遺言書を書くことによって、障害のある子どもにより多く財産を相続させることもできます。また、成年後見人は遺言で指定しておくこともできます。
5、特定の人に財産を残したい場合、相続人がいない場合
事情があって婚姻届が出されていない事実上の妻(内縁の妻)や身の回りの世話をしてくれている息子の妻には民法上の相続権がありません。遺言書を書いておけば多くの財産を内縁の妻に残しておくこともできますし、世話になった息子の妻に形として残るもの(現金や株式)を感謝の気持ちとして遺贈させる方法もあります。
また、相続人がいない場合は、最終的に国のものになってしまいます。遺言書を書くことで生前にお世話になった人や、介護などでお世話になった人に遺産を遺贈させることもできます。
まとめ
相続における遺言書を書くべき代表的な5つのケースを上げましたが、
絶対にしなければいけないことではなく
遺言書をできれば残しておいた方がいいケースです。
後々になって、遺言書を残しておけばよかったという
「たら、れば」
がないように5つのケースは覚えておきましょう。
【編集後記】
明日から2月ですが1日から大雪予報。
四国も滅多に平地は雪が降らないので交通機関に注意したいと思います。