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相続について

「連年贈与」についての間違った都市伝説

投稿日:2017年10月10日 更新日:

こんにちは、税理士のおぎーです。

 

今回は「連年贈与」についての間違って都市伝説について

 

 

そもそも「連年贈与」とは

将来多額の相続税を支払うことになりそうな、賃貸不動産や多くの現預金等を持っている方に対しては相続税の節税対策の一つとして

生前贈与

を勧めています。

 

生前での贈与は贈与税が掛かってくるのですが

暦年中(1月1日から12月31日)

受贈者(もらう人)に対して

1人当たり110万円の基礎控除額

があります。

 

110万円以下であれば贈与税が掛からないので

 

仮に贈与時に現預金が1,000万円以上あるなら

親から子へ

毎年100万円を10年間で分けて贈与していきましょう

とした場合に税務署側としては

贈与時に1,000万円を10年間で分けて贈与する契約があったものとみなして

贈与時に1,000万円に対して課税するのが

「連年贈与」

です。

 

 

間違った都市伝説

せっかく節税対策をしたのに将来過去に遡って課税される恐れがある。

 

そのために税理士事務所、会計事務所でまことしやかに伝えられているのが

 

・毎年の贈与額を変えた方がいい

・毎年の贈与の時期を変えた方がいい

・毎年の贈与額は少し税金がかかるくらいで申告と納付をした方がいい

 

です。

これは節税対策の書籍などにも書かれている場合があります。

 

ここで国税庁のQ&Aをみてみましょう

 

Q1

親から毎年100万円ずつ10年間にわたって贈与を受ける場合には、各年の受贈額が110万円の基礎控除額以下ですので、贈与税がかからないことになりますか。

A1

定期金給付契約に基づくものではなく、毎年贈与契約を結び、それに基づき毎年贈与が行われ、各年の受贈額が110万円以下の基礎控除額以下である場合には、贈与税がかかりませんので申告は必要ありません。
ただし、毎年100万円ずつ10年間にわたって贈与を受けることが、贈与者との間で契約(約束)されている場合には、契約をした年に、定期金給付契約に基づく定期金に関する権利(10年間にわたり100万円ずつの給付を受ける契約に係る権利)の贈与を受けたものとして贈与税がかかります。

国税庁HPより

 

「100万円の贈与が毎年個別に成り立って、結果10年経過したら1,000万円になっていた」

という話であれば贈与税の申告なし

 

「1,000万円の贈与ありきで、これを10年分に分割して10年経過したら1,000万円になっていた」

という話であれば契約をした年に贈与税がかかり、申告が必要になります。

 

仮に税務調査が来た場合に

「1,000万円の贈与を10分割しただけだから、贈与税を課税します」

と言われれば、調査官は

1,000万円の贈与ありき(若しくは贈与契約)を立証しなければなりません。

強引にさも当然のように

「贈与税の申告書を提出してください」

といってくる調査官もいますが相手の言われるがままに

「はい、では申告書をします」

ではなく

「調査側で、1,000万円の贈与ありき(贈与契約書)を立証してください」

というべきです。

 

多くの場合、調査官側で立証することは困難である場合が多い(ケースによります)

ので

毎年の贈与が「個別的に」成り立っているなら

毎年の贈与額を変える必要もなく

毎年の贈与の時期を変える必要もないです。

 

ただし、毎年の少額の贈与税の申告は全く意味をなさないものではなく

毎年の贈与の申告をしていた

という一つの証拠になります。

 

贈与があったか否かな具体的な事実関係を総合勘案して判断すべきため

贈与税の申告が事実関係の一つの証拠となります(絶対条件ではないです)

 

まとめ

連年贈与の都市伝説

「100万円の贈与が毎年個別に成り立って、結果10年経過したら1,000万円になっていた」

 

であれば毎年の贈与額も贈与の時期も変える必要はありません。

 

むしろ注意すべきは贈与の事実関係で

毎年の贈与契約書の作成

贈与は口座間でおこない、記録を残す

契約書には各人ごとに印鑑を変える

 

の方がむしろ重要であります。

 

 

【編集後記】

先週は3連休。娘(2歳5カ月)ともいつもより長く一緒にいれたので

娘自身も嬉しそうでした。

 

 

 

 

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