こんにちは、税理士のおぎーです。
今回は税務署の将来像(AIの活用を知ることで未来の税理士像を考える)について
税務署側の視点から考えてみる
税務署。
納税する側からすると煩わしい存在の行政機関です。
正しい申告納税がされていなければ簡易是正の連絡があり
個人、法人共に税務調査があり
個人の確定申告の時には、繁忙期であれば紙での申告書の提出の場合、提出するだけで1時間以上並んで提出します
そんな煩わしい存在ですが、これからの税理士のあり方を考える上でも税務署の将来像を知ることは必要です。
税務署自体は昔の紙ベースに比べればデジタル化してきましたが、まだまだ人海戦術です。
人による所が大きいのですが、僕が住んでいる所の一地方都市の一地方支部では税務署職員の数も減少傾向です。
法人の数が減少傾向というのも原因ですが、資産税課などは隣町の税務署職員と兼務という所もあります。
そういった中で、未来の税務署像はどういった形になるのでしょうか?
税務署の将来像
2017年6月23日に国税庁のHPにて
「税務行政の将来像〜スマート化を目指して〜」
というのが公開されています。
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2017/syouraizou/index.htm
将来像としては大きく分けて2つ
①納税側の納税者の利便性の向上
②課税側の課税、徴収の効率化、高度化
①納税者の利便性の向上
法人、個人において近年デジタル化が進んでいますが更なる向上として
・カスタマイズ型の情報配信
・税務相談の自動化
・申告、納付のデジタル化推進
があげられます。
カスタマイズ型情報配信についてはマイナンバーのマイナポータルを通じて不動産売却時の申告案内、災害等の減免制度のお知らせを目的としています。
税務相談の自動化については電話や対面だけでなくメールやチャットにも相談および回答ができるようにし、AIを活用した相談内容の分析と最適な回答の自動化を目指しています。
申告納付のデジタル化については現在は国と地方の電子申告も別々ですが一本化によるワンストップ化を目指してます。
3つを通じて今より更に直接税務署に出向かず簡便な手続きで完了をすことを目的としています。
②課税、徴収の効率化・高度化
課税側においても人員削減による更なる業務効率化を目指しています。
こちらも大きく分けて3つ
・申告内容の自動チェック
・軽微な誤りにおけるオフサイト(郵便、電子メール)処理
・調査、徴収のAI活用
申告内容の自動チェックは所得税や相続税において財産所有情報等との人的チェックではなく自動化することで申告漏れ等の迅速な把握を
軽微な誤りにおけるオフサイト処理はこちらも現在は是正が必要なチェックは職員がチェックして郵送にて連絡をしているのですが納税者への自動連絡やAIを活用したコールセンター強化を目指しています。
調査、徴収のAI活用はこちらも古くから人的チェックされてきた、税務調査必要判定、納税者への最適な接触方法、納付能力、優先着手滞納事案を自動チェックすることを目指しています。
最終的な税務調査は人に頼る部分が大きいのですが、事務手続きをAIによる自動化、最適化を目的としています。
まとめ
税務署における将来像。
①納税側の納税者の利便性の向上
②課税側の課税、徴収の効率化、高度化
に分けられていますが、今後10年以内の目標実現を目指してます。
国税庁側でこのような具体的目標数値の公表は極めてまれなのですが
今後10年間で、税理士としての「在り方」も問われてくるかと思います。
つまり、独占業務である申告制度は更に簡便化する傾向にあり
記帳に関しては更なる自動化が進みます。
ただし、税務調査はAIの導入でも課税側も納税側も人に頼る部分が大きいこと
税理士として税金計算だけでなく、コンサルティング色が強くなることが上げられます。
そういった意味でも税理士としての「資格としての枠組み」に囚われない能力が求められていますね。
【編集後記】
昨日は健康診断。2年前から内視鏡検査ではなく、バリウムに切り替えているのですがバリウムの方が断然楽です。