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相続について

親が認知症等となった後の生活や財産の管理について

投稿日:2017年9月8日 更新日:

こんにちは、おぎーです。

 

今回は親が認知症等となった後の生活や財産の管理について

 

 

成年後見制度について

成年後見制度とは、認知症や知的障害などが原因で判断能力が不十分となった場合に、不動産の管理や金融商品等様々な契約を結ぶことが困難となります。

判断能力が十分でないために悪徳商法などの被害に遭わないために、認知症や知的障害の方を保護するのが成年後見制度となります。

 

なお、成年後見制度には

①法定後見制度

②任意後見制度

の2種類があります。

 

①の法定後見制度とは

対象者がすでに判断能力がない場合に、

親族などが家庭裁判所に後見人等の選任を申し立てをして、家庭裁判所が後見人等を選任する制度です。

 

②の任意後見制度とは

現在は未だ判断能力がある場合に、招来認知症などで判断能力が不十分となる場合に備えて

あらかじめ対象者自身が選んだ代理人(任意後見人)に将来の自分の生活や財産管理などについて代理権を与える制度です。

 

法定後見制度の具体例

今回は、法定後見制度について具体例を交えて見ていくのですが、

法定後見制度には、判断能力なら程度に応じて

①後見

②保佐

③補助

の3つに分けられます。

 

①後見

対象者:常に判断能力がない状況の者

例:日々の買い物が一人ではできない場合等

成年後見人(支援する人)は、日常生活に関する行為を除き、すべての『法律行為』を代理して行ったり、取り消したりすることができます。

 

②保佐

対象者:判断能力が著しく不十分な者

例:金銭の貸借や不動産の売買などは一人ではできない場合等

保佐人(支援する人)は、対象者の利益を考慮し、特定の『法律行為』について代理したり、同意や取り消しの支援を行う

 

③補助

対象者:判断能力が不十分な者

例:買い物などは問題ないがら一人で金銭の賃借や不動産の売買などを行うには不安がある場合等

補助人は、対象者が選択した『法律行為』について同意や取消をしたり、代理して契約等を行う

 

『法律行為』とは以下のような行為を指します。

・貸したお金の元本の返済を受けたり、預貯金の払戻しを受けたりすること

・借金をすることや借金等の保証人になること

・不動産等を売買すること

・民事訴訟で原告となる訴訟行為をすること

・贈与すること、和解や合意すること

・相続の承認や放棄及び遺産分割をすること

・新築、改築、増築や大修繕をすること

 

法定後見人として選ばれる人は

法定後見人として、家庭裁判所から選ばれるのは親族以外に弁護士、司法書士、税理士、福祉関係の専門家などが通常選ばれます、

また、一人ではなく、複数人選ばれることもあります。

 

法定後見制度を適用するための手続き

法定後見制度は、後見人等を申し立てする場合には、

本人、配偶者ら4親等内の親族が

家庭裁判所に申し立てを行います。

 

流れとしては以下のようになり、通常審判の申し立てから法定後見の開始まで4ヶ月程掛かります。

 

①後見開始の審判を家庭裁判所に申し立てる

②家庭裁判所の審理

③法定後見開始の審判及び後見人・後見監督人の選任

④法定後見開始の開始

 

まとめ

法定後見制度は、程度の応じて①後見、②保佐、③補助に分かれています。

 

認知症や知的障害の方を守るための制度ですが、制約も多くあります。

後見人等に従事されている弁護士や司法書士の先生からは手続きが煩雑であったり、支援される人の利益になると認められなければ家庭裁判所の許可がおりない場合もあります。

時代に即した形では、対応しきれなくなるので最近では民事信託などが出てきているのかなと。

 

ただ、保護の観点では成年後見人制度は必要な制度ではあるので、活用の1つとして考慮に入れるべきではあると思います。

 

【編集後記】

9月に入ってから、ランを再開しています。

夜走っているのですが、気温と下がっているので走りやすい季節となってしました^_^

 

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