おらが町の税理士

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相続について

相続は節税よりも大事なものがある(争続ではなく笑顔になる相続を)

投稿日:2017年3月3日 更新日:

こんにちは、おぎーです。

 

税理士事務所に勤めていると相続、贈与税の相談はよくされます。

主に提案することは節税のために生前の贈与をした場合の税金の話や相続があった場合にどれぐらいの相続税がかかるかについて預金や宅地、生命保険の評価額を出し、集計して相続税を計算します。

 

しかし、税金計算、申告書の作成だけでは終わらないのが相続です。

 

相続後に姉と妹の争い

実際にあった話だったのですが、被相続人が死亡した後に被相続人の姉と妹が相続税の相談に来たんですね。

 

背景としては、両親のうち父は以前に他界し、今回母が亡くなったので相続の相談来たという事。

財産は、預貯金、生命保険、母が亡くなるまで住んでいた自宅および貸家にしている不動産関係。

すべて合算すれば基礎控除額(3,000万+600万×法定相続人の数)を超えていたので相続税の申告が必要です。

 

初回の時は、姉と妹比較的仲が良く、財産についても妹が被相続人の生前から介護を含めて自宅に住んでいたため、自宅は妹が相続し、遠方に住んでいる姉はその他の預金関係を妹と折半するような形で相続すると思われていたんですね。

 

ただ、自宅が敷地も広く道路沿いにあるため評価額が高かったため、これがもめる原因となる事に。

 

後日、姉から電話があり、個別に相談したいと。

 

相談に来た時は、初回にはいなかった父方の叔父と名乗る方と一緒でした。

 

姉の主張はこう。

 

「妹が今住んでいる自宅は広すぎるので将来売却される可能性がある。そうすると多額の現金が妹に渡るので、自宅を勝手に売られないように共同名義で相続したい。」

 

その旨を妹さんに伝えると、後日今度は妹さんと母方の叔父叔母と名乗る方と一緒に来て

 

「母の介護は私がしていたし、自宅は私が住んでいるので自分が貰う権利がある。将来も自宅は売るつもりはないです。」

 

両者の主張は折り合わず、相談も姉と妹の2人で来ることはなく、未分割で申告書を提出する事に。

 

小規模宅地等の減額も使えないので余分に税金を納めて、最後は弁護士を介しての争いとなりました。

 

結局は姉の遺留分(相続財産全体の1/2)相当までを現金で渡して決着しました。

 

相続で大事な事

相続で大事な事は

 

どのようにしたら争わずに済むか

 

です。

 

相続は争わないようにするために「みんな」で話し合うのが基本です。

 

上記では初回以外、姉と妹が話し合う事はなく、申告作成途中も、

「この話は妹に言わないで下さい」

「この資料は姉には渡さないで下さい」

ということばかりでした。

 

情報をクローズドにするとやはりお互いに不信感が高まりますよね。

 

相続は「みんな」で話し合うのが基本です。

 

あと今回の話では相続人以外が介入してきたこと。

 

叔父や叔母が

「姉はもっと財産がもらえるはず」

「妹は自宅を持つ権利があるはず」

と言われれば、本人達もそうかもって思ってしまいますよね。

 

あとは、やはり思いを形にすること。

 

亡くなった母や妹は自宅は当然に妹が相続するものと考えていたかもしれません。

 

もし、母から

「自宅は妹に相続させる」

旨の自筆遺言等があればここまで争うことも無かったかもしれません。

 

まとめ

相続は節税も大事ですが、争続にならない為の「入口」が非常に大事です。

 

有効な節税が出来るのに結局遺産分割が整わず適用できませんでしたでは、余計な税金を納める事になります。

 

今回のケースでもお金で解決しましたが姉と妹の関係はこじれたままです。

争ったとしてもお互いが疲弊するだけなので、争続にならない為に「入口」、しっかりした事前の準備が必要です。

 

 

【編集後記】

セミナーコンテスト高松大会に参加にあたり話すテーマを事前に決めておくよう連絡がありました。

 

今自分が伝えれる事をしっかり考えたいと思います。

 

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